電力会社の値上げに関して

個人的に東京電力の値上げは今回の補償問題や原発を「冷温停止」してからどうするかなのですが、その他の地域での値上げに関してはどう考えるか、それを考えてみたいと思います。

電気・ガス料金、3月全社値上げ

 電力10社と都市ガス大手4社は30日、燃料費調整制度に基づく今年3月分の電気・ガス料金を発表した。算定根拠となる昨年10~12月分の原油、液化天然ガス(LNG)などの輸入価格が9~11月より上昇したため、全社とも値上げをする。

 値上げ幅は電力10社が標準的な世帯で9~26円、ガス4社が6~13円。電力10社がそろって値上げするのは昨年9月以来、6か月ぶりで、ガス4社すべての値上げは12月以来、3か月ぶりだ。

(2012年1月31日 読売新聞)

ガスはLNGの値上げなどを考えれば止むを得ないのはよくわかります。
では電力はというと、沖縄電力を除く全ての電力会社の前提が「原子力発電所の安定稼動」を前提にしています。
そして現状、原子力発電所は「安定稼動などしておらず」という状況になっていて、コストがまともにかかる化石燃料に頼っている状況になっています。

つまり原子力発電ができない状況であれば、値上げは止むを得ないという結論になってしまうのではないかと考えるのです。

だからこそ私はエネルギー政策を見直して、国としてどうするのかを決定するべきだと過去にもかいたのです。

矛盾しているのはこういう人たちでしょう。
「原発は反対、でも電気の値上げも反対!」ということを述べる人たちです。
原発は国策で行われていたわけで、それに対して今どうこう言うべきではありませんし、これからどうするのかという議論は必要です。

そして原発の稼動を60年を可能にするような馬鹿げた議論などはやめ、40年という耐用年数で廃炉手続きを取っていくのは当然のことです。
なんのための耐用年数なのか、そして古い原子力発電所の危険性が残念ながら昨年わかってしまったのです。
だとすれば既存の原子力発電所は40年で終了させ、新規をどうするのかという議論をするべきなのだと考えます。

これまた個人的ではあるのですが、新規の「原子核反応炉」はもう建設するべきではないでしょう。
ただし現存の原子核反応炉を活かさない限り、残念ながら安定してある程度安い電力需要に応えることは相当難しいようです。
ですからこの部分を国民を交えて議論するべきだと考えます。

あと30年以内には原子核融合炉という反応炉などとは全く違い、かつ圧倒的に安全度の違う技術が商用として可能になるそうです。
また他のエネルギーに関してももっと技術が進歩するでしょうし、日本が無駄に高いエネルギー政策を進めるとも考えていませんので、技術屋の皆さんに期待するしかありません。

【参考資料】日本の「原子力発電所(原子核反応炉)」※定格出力単位(万kw/h)

発電所名 機号 運転開始 40年後 定格出力 備考
1号機 1989年 2028年 57.9  
2号機 1991年 2030年 57.9  
3号機 2009年 2048年 91.2  
東通(東北電) 1号機 2005年 2044年 110.0 計画中1、東京電力建設中1、計画中1
女川 1号機 1984年 2023年 52.4  
2号機 1995年 2034年 82.5  
3号機 2002年 2041年 82.5  
福島第一 5号機 1978年 2017年 78.4 1-4号機は使用不可能
6号機 1979年 2018年 110.0  
福島第二 1号機 1982年 2021年 110.0  
2号機 1984年 2023年 110.0  
3号機 1985年 2024年 110.0  
4号機 1987年 2026年 110.0  
東海第二 1号機 1978年 2017年 329.3  
柏崎刈羽 1号機 1985年 2024年 110.0  
2号機 1990年 2029年 110.0  
3号機 1993年 2032年 110.0  
4号機 1994年 2033年 110.0  
5号機 1990年 2029年 110.0  
6号機 1996年 2035年 135.6  
7号機 1997年 2036年 135.6  
浜岡 3号機 1987年 2026年 110.0 1-2は廃炉手続き中
4号機 1993年 2032年 113.7  
5号機 2005年 2034年 138.0 6号機計画中
志賀 1号機 1993年 2032年 54.0  
2号機 2006年 2035年 135.8  
敦賀 1号機 1970年 2009年 34.0 計画中2
2号機 1987年 2026年 116.0  
美浜 1号機 1970年 2009年 34.0  
2号機 1972年 2011年 50.0  
3号機 1976年 2015年 82.6  
大飯 1号機 1979年 2018年 117.5  
2号機 1979年 2018年 117.5  
3号機 1991年 2030年 118.0  
4号機 1993年 2032年 118.0  
高浜 1号機 1974年 2013年 82.6  
2号機 1975年 2014年 82.6  
3号機 1985年 2024年 87.0  
4号機 1985年 2024年 87.0  
島根 1号機 1974年 2013年 46.0  
2号機 1989年 2028年 82.0  
3号機 2012年 2051年 137.3 3月から稼動予定
伊方 1号機 1977年 2016年 56.6  
2号機 1981年 2020年 56.6  
3号機 1994年 2033年 89.0  
玄海 1号機 1975年 2014年 55.9  
2号機 1981年 2020年 55.9  
3号機 1994年 2033年 118.0  
4号機 1997年 2036年 118.0  
川内 1号機 1984年 2023年 89.0  
2号機 1985年 2024年 89.0 建設中1
もんじゅ 1995年 27.0  

この表を作ってみてわかったのは、既に40年を過ぎたものが3つありました。
2010年代に40年に到達するのが12基、唯一完成していてこれから商用運転を始める島根を除いて、2040年代には原子核反応炉はなくなるということです。
それより前倒しにするとして、これらの建設費用や廃炉費用、そして代替燃料費用などというのは当然ながら利用する人が負担しなければなりません。

それを否定しながら値上げ反対ということは許されないはずです。
ただ闇雲に原発反対とやるのではなく、現実として何があってどうなるのか、家計や産業への負担はどうなるのかなど、これらを冷静に判断していくしかないのです。

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