
Microsoft Windows 8が見事なまでに迷走している。
誤算のウィンドウズ8 マイクロソフトに迫る落日-日本経済新聞社
(1/4ページ)2013/6/3 7:00
米マイクロソフトがもがいている。最新の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」の出足は周囲の期待を裏切り、さっそく改良版の投入を迫られた。ハイテク業界はもちろん、パソコンの使い手にも強大な影響力を及ぼした姿は、もはや遠い過去だ。ユーザーのウィンドウズ離れの先には、マイクロソフト自身の落日が迫る。
■「8」の工場で「7」をつくる
そのパソコン工場の製造ラインでは、最新型のノートパソコンが組み立てられているはずだった。ところが、現場を見た中堅システム開発会社の幹部は、違和感が拭えなかったという。
「最後のチェック工程でパソコンを起動させているんです。そのとき、画面上に、窓のようなデザインの旗マークがはためいているんですよ。8の画面ではなかった」
最新型のパソコンなのに、1世代前のOS「ウィンドウズ7」がわざわざインストールされていた。
8用に設計したパソコンに7を組み込む作業は、「ダウングレード」と呼ばれている。対象のパソコンには、8の使用ライセンスが付与されており、契約違反ではない。マイクロソフトも認めている。
ダウングレード機は、販売集計上は8として数えられるが、実際に顧客が手にするのは7がインストールされているパソコンだ。ある大手情報機器販売会社の場合、企業向けの販売台数に占める8はわずか5%。実に95%がダウングレードされている。今までもOSが変わるたびに一定数のダウングレードが発生したが、「今回の8は異常に多い」(同社幹部)という。
マイクロソフトは昨年10月に8を発売して以降、順調な売れ行きをアピールし続けてきた。5月7日には累計販売本数が1億本を超えたと発表。ウィンドウズ部門の最高マーケティング責任者(CMO)で、最高財務責任者(CFO)でもあるタミ・レラーは「発売以来の進捗に満足している」と自賛した。
■「IT景気のけん引役」だったが……
販売ペースは過去最速のペースで売れた7とほぼ同じ勢いともいう。しかし、別の数字は、違う現実を物語る。
ついに過去最大の減少率に陥った――。米調査会社IDCが4月にまとめた今年1~3月のパソコン世界出荷台数は前年同期比13.9%減の7629万4000台。IDCのプログラムバイスプレジデントのボブ・オドンネルは、「8はパソコン市場の活性化に失敗した。むしろ、足を引っ張っている」と嘆く。
いったい8は好調なのか。不振なのか。「ダウングレードの広がりなどは日本特有の動きではない」(外資系IT企業幹部)。マイクロソフトがまとめた数字自体は好調に見えたとしても、企業ユーザーも個人ユーザーも、今までのようにおとなしく最新OSへ更新していないようだ。
それは、マイクロソフトにとって異常事態にほかならない。
Windows 8を実際に触ってみて思うのは「なんでほかの会社を意識しすぎたのか?」ということでした。
プログラムとかソフトウエアといっていたものを「アプリ」としたり(コントロールパネルでは「アプリケーション」でしたが)、それを販売する手法というのはアップルやグーグルと同じものとしか感じません。
そしてこの記事にあるのですが、アプリ開発においてはiOSが80%、Chromeでは70%以上が気にしているという書き方をしていましたが、Windows Serverを使用した環境でのアプリケーションがそうそうなくならないことを考えると、アプリという何かに特化したものではなく、企業で使われるような「ビジネスアプリケーション」において、いまだにMicrosoftが強いのは間違いないと考えられます。
しかしながら一般ユーザーにおいてはそんなものなど関係ないわけですから、端末はなんでもよくて、特化した「アプリ」が動けばそれでいいということになりますし、プログラム言語やDBを気にしてさまざまな規則を覚える必要のないアプリの開発は、専門で開発する必要のない「開発者」においては極めて「楽なもの」ということになりとっつきやすい状況になっています。
弊社としてもすでにWindowsの業務アプリケーションで保守をしているのはとうとう一つになりましたが、他はウェブシステムを利用したサーブレットで業務アプリケーションを作ることにしたのですが、こちらも結局のところは専門知識が必要になりますしさまざまな「お作法」が存在するためにそうやすやすと素人が参入できる場所ではありません。
しかしながら「アプリ」となるとアイディアを単一機能で満たすことができればよいため、あるスクリプトがわかればできちゃうという程度のものですので、素人がアイディアを具体化するには極めて便利なものだと考えています。
そんな中でMicrosoftが迷走を続けるのは、結局のところ「端末(の開発)をコントロールできない」ということがあり、タブレットマシンについてはアップルとグーグルにやられっぱなしというところがあります。
そして高価なオフィス系アプリケーションソフトウエアが売れなくなってきたということがあり、今の規模でMicrosoftを続けていくことが危機になってきたということなのだと考えています。
ところが実際はまだMicrosoftはひっ迫した状況にはないのですが(というのは、圧倒的にまだまだ業務用アプリケーションソフトはWindowsが圧勝であるため)この先、OS市場においてと「アプリ」の世界において遅れをとることがだんだんとわかってきたため、このままでは時代に飲み込まれると判断して変えていくのだということなのでしょう。
◇
まあそれ以上にWindowsの失敗ははっきりしていて、Windows 7ではまだ過去のXPユーザーから「仕方がないなあ」というレベルの変更で済みましたが、Windows 8においてはプロフェッショナルの私達でさえとまどうオペレーションやインタフェースの変更があり、「ビジネスでは使うことが不可能」と思わせてしまったことです。
結果としてWindows 7にダウングレードする顧客があいつぎ、XPと同様のサポート問題が発生するのではないかとさえ危惧するわけですが、結局これは他社OSを気にするあまりの改悪でしかないということになります。
なにせMicrosoft嫌いの私でさえビジネスユースでは「ツールとしてはやむを得ない」とWindows XPを使い続けているわけですから、そういう方向に特化するのも一つの道だと考えているのです。
もう一つは権利ビジネスに走りすぎてしまったために、ソフトウエアのオープン化についていくことができていないということなのでしょう。
ソフトウエアのパーツ化、オープン化に関しては、私も20年以上前から訴えていたのですがいかんせん非力なものですから通じることはありませんでしたが、Linux以降のこの動きはまさしく私が言っていたものと大差ないため、私はこの流れに従っていこうと思っています。
そしてMicrosoftに期待するのは、ビジネスユースの現場で今と変わりのない環境を実現するための手段であった欲しいというもので、顧客に媚びすぎてはいけないということだと感じています。
嫌いといいながら少しだけ期待をしている私だったりします^^;